「アキ……」

ケンは笑っていた。

そして手を伸ばし、アキの白い手を包んだ。

アキはケンの手に引寄せられるままに身を任せ、ケンの胸に飛び込んだ。

「アキ……会いたかったよ」


ケンの大きくなった手がアキの背中を包む。


ケンの鼓動が聞こえる。

ケンのぬくもりが伝わる。

そしてケンの思いが私の中に染み入る。



「ケン、私もだよ」



素直な思いがほとばしる。

だってここは私たちの原点。

ここに戻ればいつだって真っ白になれる。