アキが６年生の頃、幸は小さなモデルの事務所を立ち上げた。

離婚を機に一念発起して興した事業であったが、わずかながらも右肩上がりに成長を続け、今や中堅どころの会社にまで成長した。

アキと同世代の素人モデルを数多く抱えることで飛躍的に業界で知られるようになったのだった。

今やアキも大学生。

大学生ながら、幸の会社の役員を務め、新規事業の展開に手腕を発揮していた。

アキが事業に参加してから、幸の会社はさらに収益を上げるようになっていった。




「あんた、ずっとやりたいって言ってたわね」

幸は興奮を抑え切れなかった。

顔が紅潮している。

「そうだよ。やっと夢が実現しそうな気がする」

アキは玄関のドアを閉めながら冷静に幸に言った。