「おばさん、もうちょっと待ってて。私が大人になるまで」

「アキちゃんが大人になるまで?」

「うん。そしたら、私がコウのことデビューさせるから。ちゃんとコウのこと考えて、コウが幸せになるようにするって約束できるわ」



アキの瞳はまっすぐでなんのよどみもなく澄み切っていた。



「アキちゃん……」



コウの母は、ただうなずくことしかできなかった。

何か口にでもしたら、きっと涙が溢れて止めることはできなくなる。



「……とう……ありがとう」



二人は手を取り合ってお互いの顔を見つめあう。




きっと未来はおのずとやってくる。

だから心配しないで。

大丈夫。

笑っていられるわ。