「で、ケンくんに会いたいんでしょ」

沢村はまっすぐアキの目を見た。

「はい」

アキは迷うことなく返事した。

「アキさんの初恋かな?」

「は、初恋?」

アキは急にどぎまぎした。

思ってもいない言葉を投げかけられて、どう答えたらいいかわからなかった。

「うん、そうよ。ケンくんのこと好きなのよね」

沢村は穏やかにそう言う。