小さなアパートと少しのお金。


叔父の行動は早く、父の四十九日が終わると、雛子は家を追い出された。

雛子についた柳瀬と史乃を、なんとか置いて欲しいと、叔父にお願いして、柳瀬達から隠れるようにして屋敷を出たのだ。

(ゴメンね…柳瀬…史乃……こうでもしないと、貴方達まで苦しい生活をさせてしまう…)


何不自由なく育ってきた雛子にとって、狭い4畳半のアパートは、絶望に突き落とすのには最適な場所だった。


(これから…どうしたら…)



雛子は残された、少しのお金を握りしめて、4畳半の畳の上で、震えていた…。