コンビニのレジ店員にバイトの情報雑誌を教えてもらい、面接に行くこと八回。

『17才?保護者なし?何かあったら、責任持てないから、無視だよ』

同じセリフで、不合格。


(働くのに保護者がいるなら、私、無理だわ)


八回目の面接に落ちた帰り、一人の男に声をかけられた。

「いー仕事あるよ!してみない?」


切羽詰まっていた雛子は、男についていった。







華やかな店の前には【ブルーハワイ】と青いライトで店の名前が光っていた。

(何のお店かな?)



部屋の一室で、[田宮]と名乗ったマネージャーという人が話をしてきた。

「17才!?うーん…」
(だが、かなりの上物。逃したら…)

「18才として店には出てくれる?」

「え?…あっはい!」

なんで年齢を偽らないといけないか分からないが、やっと仕事ができるかもしれない!

迷っている暇はなかった。

「じゃ、明日から来て」





雛子が、飛び込んだ世界は、夜の世界だった。


【ホステス】


雛子は、この世に、そんな職業があることすら知らなかったのだ。