「コンビニ…?」

入り口に立つと自動ドアが開いた。

ゆっくりと確かめるように中に入った。

「いらっしゃいませ!」

店員の元気な声に、ビクリと体を振るわせた。

「あっ…あの……」

「はい?」

「ここはコンビニでしょうか?」

「は?…あー、そうですけど?」
(この女、コンビニを知らない?あり得ない!?)

「やっぱり!」

パンッと手を叩いて、パァーと笑顔になる。
(わぁー、この子、可愛いじゃん!)

店員は雛子の容姿を改めて見て驚いていた。

雛子は警戒心を無くして、コンビニの中を探索していた。

おにぎり・サラダをレジへ持っていった。

「あれ?飲み物は?」

「あっ…あまり、贅沢できないから…」

と照れたように笑う。

「ふーん」

レジの男は、ペットボトルのお茶とおにぎり・サラダをレジで打ち、自分の財布からお金を払った。

「はい!」

「え?」

「金ないんだろ!これぐらい奢ってやるって!」

「そんな…」

「いーから!でさ、交換に週一回ぐらいは顔見せてよ!」

男の発言にキョトンとした。

「あはっ」

雛子の口から、久しぶりに笑い声が出た。

男は雛子を気に入っていたのに、雛子はジョークを言っていると勘違いして笑っていた。


(笑った顔も可愛いなぁ)