〜10年前〜
ねぇねぇみやびにぃーおそとであそぼー‼︎



雲行きが怪しくなってきたから
また今度にしよう、南美⁇



えーいまがいい‼︎
いまあそびたいの‼︎
ね、ちょっとだけ‼︎



しょうがないなー、ちょっとだけだよ⁇



やったぁー‼︎
はやくいこうー‼︎



あ、走って行くと危ないよ‼︎



だいじょーぶ‼︎



パッパァァァァ!!!



南美‼︎‼︎‼︎



え…⁇



キキィィィィィ



ドンッッッッ



み…やび…にぃ⁇



み…なみ……無事でよか…た…



みやびにぃ⁇
ねぇ、どうしたの⁇
ねぇ⁇



………………



みやびにぃぃぃぃ‼︎‼︎‼︎
はぁ…はぁ…はぁ



また、あの時の夢だ…



まるで忘れるなとでも言うように毎日見させられる夢



忘れるわけない



あれから10年経った今、高校2年になったが、あの時のことは鮮明に覚えている



自分の犯した罪は一生を掛けて背負わなきゃいけないんだ



「はぁ……」



重い体を無理やり起こし、制服に着替え、リビングに行った

ガチャ



「おはよ…」



「「…………」」



どうせ挨拶してくれないことなんて分かってる



そして…



未「ふぁぁ、はよー」



母・父「おはよ、未来-ミライ-」



未来兄にはちゃんと挨拶することも、分かってる…



未「…邪魔」



「ごめん…」



リビングの入り口に突っ立ってたあたしにそう言うと椅子に座り、ご飯を食べ始めた

見て分かる通り、あたしは家族みんなに嫌われている



理由なんて決まってる



10年前あたしが、雅兄を殺したからだ



あたしの家は自分で言うのもなんだけどけっこうな金持ちで、蘇芳-スオウ-は世界1.2位を争うくらいの大財閥だ



そんな蘇芳財閥の跡取りはもちろん雅兄だった



雅兄は長男ということもありしっかりしてて、みんなにも頼られ、将来の蘇芳を背負っていけるほどだった



そして家族みんなに優しくて、慕われていた



そんな蘇芳にとっても家族にとっても大切な人をあたしは殺したんだ



嫌われて、当然だ…

あたしも席にすわ…りたい所だけど、もちろん朝ご飯なんて嫌われてるあたしの分なんてあるはずなくて…



今日も自分で適当な朝ご飯を作ってから席に着く



あたしが席に着いたときも、三人は見向きもしないで話し続ける



父「あ、そういえば今日、転校生くるんだろ⁇」



未「ん?あぁ…一つ下だけど」



一つ下って…あたしの所か

あたしと未来兄は一つ違いで、同じ高校にかよっている



転校生なんて初めて聞いた…



ほとんど授業サボってたからだと思うけど



あんな所に居たくもない



父「そうか…」



母「どんな人が来るのかしらねー」



あたしには絶対に聞かない



そこまであたしは嫌われてるらしい



まるであたしなんか居ないかのように3人だけで話している