「あぁ、ごめんごめん。
全然、気にしないでいいからね。
今回のは調子に乗りすぎてるシュウが
悪いから。」
何が悪いのかはわかっていない
みたいだけど、申し訳なさそうに
している園川つかさにそう言って
あげると彼女は目を見開いた。
多分、今のこの瞬間まで僕の存在に
気づいていなかったんだと思う。
"一度も顔を見ようとしなかったしな。"
「ちょ…、お前さぁ…。
そこまで言わなくてもよくねぇ…?」
今にも泣きそうな顔をして僕に
すがってくるシュウ。
「おーい!整列しろー!
そろそろ出発するぞー。」
ナイスなタイミングで、
先生たちが集合をかけてくれた。
「ほら、シュウ行くぞ。
本当に気にしないでいいからね。」
最後にもう一度園川つかさに声をかけ、
僕はシュウを連れてその場を去った。
園川つかさ…。
シュウの誘いを即答で断り、
僕の存在を無視…。
こんなことをした女の子は初めてだ。
僕の中での園川つかさの印象は、
『やっぱり変わってる女の子』
で確定された。