顔にはださなかったけど、
内心すごく驚いてる。
だって………。
その中の1人が
さっきぶつかった女の子だったから。
「ねぇねぇ。君たち1年生?」
馬鹿シュウが外面用の笑顔でさっきの子
たちに話しかける。
「…そーですけど。」
他の2人がきゃあきゃあ言ってる中、
さっきぶつかった子がぶっきらぼうに
応えた。
「君、名前なんていうの?」
「はい?私ですか?」
明らかに嫌そうな顔をする彼女。
「うん!君!」
彼女のぶっきらぼうな態度も、
嫌そうな顔も気にせず、
会話を続けようとするシュウ。
「……園川つかさですけど。」
嫌そうな顔のまま彼女は小さな声で
名乗った。
「ツカサちゃんか〜。
君、すっごくかわいいね!」
「…ありがとうございます。」
「ねぇ、今日さ一緒にお昼どうかな?
もちろん、そっちの友達も一緒に!」
きゃあきゃあという声が一段と大きく
なる。
「すいません。お断りします。」
そ……即答。
シュウの誘いを断る女の子を見たのは、
2度目だ。
「えー、どうしてー?」
図々しく、食い下がるシュウ。
「私が嫌だからです。」
「「「「…………。」」」」
園川つかさの迷いのない即答に
その場にいた全員が固まった。
もちろん僕も。
「ちょっ…!ツカサ!」
「あんたって子は、本当に…。
すいません、この子空気読めなくて…。」
園川つかさの友達2人が慌ててフォローするももう遅い。
シュウは余程ショックだったのだろう、
未だ固まったままだ。
「えっと…。なんかすいません。」
何に謝ってるのかはたぶんわかってない
だろう。
その言葉はすでに傷ついていたシュウを
更に落ち込ませた。
これでシュウのプライドはズタズタになったことだろう。
「ふ…。あはははは!」
いきなり笑いだした僕に驚いたのか、
そこにいた全員が僕を見た。