…………………。


「あ。」


はっとして時計を確認する。


そこには、7:20と表示されていた。


これでは完全に更衣室は満員になって
いることだろう。


「はぁ〜〜〜。」


ため息しかでない。


寝坊するし、朝からぶつかるし、
満員の更衣室で着替えなければならないんだろうし…。


"今日はとことんついてないな。"


そう考えながら、学校へと歩きだした。


もう急いでも仕方がないだろうから、
普通にゆっくりと歩く。


歩きながら考えるのは、
さっきの女の子のこと。


普通の女の子ってキスなんてされたら、
もっと怒るものなんじゃないのか?


怒るまではいかなかったにしても、
少しくらい動揺するだろう…。


なのに、あの子は動揺もしなかったし、
怒りもしなかった。


普通はあそこで泣いちゃっても
おかしくはないだろうに…。


"やっぱり変わってる。"


僕は改めてそう思った。


「あ、名前聞かなかった。」


せめてお詫びくらいしなければと思った
けれど、名前すらも知らないのにそんな
ことできるわけがない。


"うーん…。どうしようかな…。"


そんなことを考えているうちに、
学校に到着する。