そんな私にも家族の愛情を感じた事はある。

物心ついて父が3度、母が2度、姉が1度だった。

友達が言った。

幸せが数えられるなんて可哀想だと。

皆早く家に帰って安らぎたいのに、帰るのか辛いから、休みの日も学校に行きたいなんて可哀想だと。

けれど私にはそれは自然で当たり前の事だった。

あるクリスチャンの人が言うまでは。

それは私がユウと二人暮らしの時、

『こう言うのはなんですが、あなたの親はおかしいです。

もう娘は子供も生んで立派に大人です。
むしろ男がいない方がおかしいんです』

「そうなんですか?」

小さい頃からのすり込みはそう簡単には消えてくれない。

私は性的な事全てにも強い罪悪感があった。

小さい時、お仕置きだと浣腸された事もあった。

仕方ないんだと思っていた。

そんな事も全て理不尽だったと知らされた。

だが、後でもあまりに母が言うので自信が無くなり、私は役所の担当に聞いた。

「あの変な事を聞きますが、私は植物も育ててはいけない人間なんですか?」

『そんな事ありませんよ』