「…字。汚くてごめん」
彼も小さい声で喋った。
「いえ。綺麗です」
そして、あっという間に放課後。
「花伊さん。委員会の仕事っていうのがあるんだけど、
初瀬川君と一緒に、後で職員室に来て頂戴」
先生に呼び止められて、頷いた。
(初瀬川君って…どの人)
すると隣の席の人が、立ち上がった。
「行くよ」
「あ、はいっ」
お隣の人が初瀬川さんか。
ノート貸してくれたおかげで、授業にも集中できたし。
お礼もちゃんと言わないと。
「あ、あゆちゃん。仕事?」
「うんっ。だから先に帰ってていーよ」
「いや待っとく」
「分かった」