俺は、あゆちゃんの兄貴の家に行った。

「…なんだ。お前か」

息を切らして、俺は


「あゆみを下さい…。幸せにします」


はっきりとそう伝えた。


もう手放したくないと。

そう心から思えた。



「…家に入れよ。あゆみなら、中にいる」


俺は靴を、ゆっくりと脱いで家にあがる。


あゆちゃんの兄貴は、厳しそうな顔をしているけど、どれだけ妹思いかって凄い分かる。


そして俺は愛しい人をようやく見つけた。


「あゆちゃん…」


そっと声をかけると、あゆちゃんは泣いていた。


「ゆっくりと聞いて欲しいんだ」


俺はそういって、言葉を繋げて言った。