俺は夜遅くに、ドアを叩く音で起こされた。
寝ぼけ顔で出ると藍だった。
尋常じゃなく焦っている。
そして、あゆちゃんがいなくなったと知らされる。
俺が今日、あゆちゃんに別れを伝えたからだ。
「…俺のせいだ」
消えそうになる自分に対して、藍は怒った。
容赦なく。
そして、俺は気づいた。
藍は昔と変わらず、いつも背中を押してくれていたことを。
「…ありがとな。藍」
アイツの言葉を聴いて、俺は立ち上がった。
もう、誰のためでもなく今自分のために行動する。
それがどんなにいけないことでも、嘘をつけないこの思いを伝えるために。
あゆちゃんが本当にスキだってことを。