「ごめん…なさい」

皆、みんな。

私のせいだ。


こんな感情はいらなかったんだ。

藍をちゃんと見ていれば。
寂しい思いなんて、させなかったのに。


「…もうここにもいれないね…」


藍の気持ちを知って、理解した分自分の罪を思い知った。


手紙をさらさらと書いた。


「お兄ちゃん、私駄目だった…」


お兄ちゃんが幸せになるためなら、と結婚をしようと決意した。
だけどその相手の人を、幸せに出来なかった。


だったら、自分はここにいれないんだ。



家の合鍵をポストにいれて、そっと玄関から離れた。



荷物はほんの少しだけ。

あぁ、どこに行こう。

行き場のない私は、どうすればいいんだろ…。