ごめんなさい。窪野さん。

好きなんて感情はないと、嘘をつきました。

嘘をつかなきゃ、忘れられない気がしたんです。

「…あゆちゃん。俺、愛してたよ」

「…はい。私は…」


そっと窪野さんの腕を離す。


「…好きだったんでしょう」


最高の終わり方だ。

どちらも告白をして、思いを伝えた。

だからこれで、終わりでいいんだよね。


教室を出ようとすると、


「…好きになってごめんっ」

窪野さんの唇がそっと、私の唇に触れた。

「ばいばい、あゆちゃん―…」

初恋はきっと、淡いものだったよ―…。


窪野さん…。