「じゃあ、通えばいいじゃん。

この学校に来なよ」

「え…??」

「俺がお金くらいだす。どんなに高くたって、歳なんか関係なく同じ学年にいれる」

「…窪野さん」

「だから、俺と一緒にいようよ…」

「やっぱり、私の許嫁は窪野さんだったんですね」

「…知ってたの?」

「兄に言われたんです。私が結婚する人は、1位を取るホストの人だと」

「…」

私は初めから違和感を覚えていた。

自分にだけ優しいこの世界を。

「でももういいんです。藍が何故私を引き取ったのか、もう咎めません。

なので窪野さんにこれ以上、お世話になるのも―…」

「駄目だっ、そんなの…」

ぎゅうっと、抱きしめられる。教室は誰もいなくて、凄く静かに感じる。