私はその後、窪野さんに抱き上げられたまま教室に入った。
「はぁ…。最悪。何でよりによって、あいつ等いんだよ」
「いつも一緒にいるんですか?」
「まぁね。何だかんだ言って、幼馴染だし。
もう1人いるんだけど、どっか行っちゃったな」
「そうなんですか。窪野さんの席、どこですか?」
「あ、俺?ここ」
一番窓側の席だった。
座って机に手を伸ばす。顔も伏せてみたりする。
「何か木の匂いがしますね」
「そりゃ、机は木で出来てるし。俺の席気に入った?」
「気に入るも何も、どの席も同じじゃないですか…。
でもこういうのって、凄く新鮮ですね」
椅子から立ち上がって、窓の外を見つめた。
校庭で、いろんな人がはしゃいでいる。
「授業中に外を見たり、早く終わらないかなって時計を見たり。
私にとっては、永遠にありえないんですが見れてよかったです」
もう1度校庭を見つめていると。