「あ、私持ってるよ」
小さな手荷物の中から出した。
「っぷ、どんな気準備万端なワケ」
「兄が入れてくれたみたい」
「ふぅん…?お兄ちゃん大好きってワケか」
「うん?」
「シスコンウサギだな」
「そうなの?」
「あぁ」
藍は意地悪そうに微笑んだ。
「何かむかつくけどな。ほら、早く作れ」
「材料全くないんだけど。どうすれば?」
「近くにスーパーあるけど、今から間に合う?」
「多分大丈夫」
私は藍から貰ったお金を手に持った。
「じゃあ行って来ます」
「おー、早くな」
扉を閉めて、外に歩き出す。
(スーパー…てどこなんだろ…)
外には知らない人ばかり。
凄く怖い。
怖い。
外なんていつもお兄ちゃんと一緒だから、よかったけど。
いざ1人になると…。
怖くなってその場から動けなくなってしまった。
服はぼろいし、髪だってよれよれ。
「あれ?キミ見かけない顔だけど。どうしたの?」
振り返ると、優しそうな笑みを浮かべた少年がいた。