「あ、窪野さん」
「やっぱあゆちゃんだったかぁー」
「どうしてここに??」
窪野さんが突然現れて、お化けよりも怖かった。
(…なんて、言わないけどさ)
「俺高校の友達と、ここ来てて。俺だけはぐれちゃったんだよね」
「あー…」
「ていうか、怖くないの?」
「全くですね」
私は、振り返ると。
「藍なら、外にいますよ」
「そそ、藍って遊園地苦手なんだよなぁ」
「え?」
「まぁ、俺等もゴールしちゃお?暗すぎてあゆちゃんの顔、見えないんだ」
「そうですね」
本当に辺りは真っ暗だ。
(…この雰囲気…あの日に似てる)
あの日。
あの時。
お兄ちゃんと起きた事件の日に、とても似ていた。