藍が差し伸べてくれた手のひらを握る。

(まだ、藍と一緒に暮らして1週間も経ってないのに。

藍といると本当に落ち着く。
会話だって、スムーズだし。

こういう気持ちって何だろ)


「お前さ、甘いの好き?」

「うん。わたあめとか好きだよ」

「あん?デザートとかは??」

「デザート…??あ、おせんべいとか?」

「ちげぇーわ!クレープとか」

「ク…?」


藍は少しだけため息をついた。


「本当に、お前は何にも知らないんだな」

「知らないよ」

「でも段々俺とは会話慣れてきたろ」

「段々ね」

「まぁ、いいや。クレープ美味しいから食えよ」

「うん!」

藍の手が少しだけ熱い。

顔を見ると、頬が少しピンク色だった。

(藍が照れてる…?)