朝になると、私の方が先に起きた。

藍は寝息をたてて、隣で寝ている。

(整った顔だなぁ…)

髪に触れてみると、ふわふわしている。

「ん…」

突然藍の腕が、私の腰を掴まえた。

安心しきった顔をしている。

(…藍は私を受け入れてくれた。

だけど私は何も藍にしてあげれてない…)

「…あゆみ」

寝言かと思ったけど、一応返事をした。

「起きてんの…?」

「そうだよ」

「んー…、もうちょっとだけこうさせて」

「どうぞ」

「今日、出掛けるぞ」

「え?」

「仕事、休みなんだよ」

その言葉に頬が緩んだ。

「うん、楽しみにしてる」

「おう」