―そら Story―





それからあゆみは息を引き取った。


ずっと目を閉じていた。

心臓の音が弱まっていく中、俺はあゆみの手を握り締めていた。



口元がかすかに動いて。



「愛してる」と伝えていた。



それがあゆみの最後だった。

俺は彼女の前では泣かないと思った。



だけど死を確認してから、抑えていた涙があふれ出た。



「まだはぇーよ…」



俺が小さく呟くと、藍が来た様で涙をいっぱい溜め込んでいた。



「あゆみ…」