それで、俺も親身的になっていった。
一緒に買い物に行くとかさ。
しかも初対面に近いってのに。
だけどこの子は、俺を信頼している。
(…そういう子なんだろうか。俺もそのほうがありがたいけど)
話すにつれて、どんどん彼女を知っていく。
藍のことを話すと、笑みが見える。
(…買い物、藍のためだな。これ)
まぁ、いいや。
この子が喜ぶなら、それでいい。
あゆちゃんか。
「…俺は信頼できる?」
ふと尋ねていた。
俺もガキなもんだな。
藍には、絶対に嫉妬したくない。
藍だけは、幸せになってほしいから。
だけどこの子を見ていると、切なくなんのは…?
この感情を見なかったことにしよう。
そう思い、電車が止まった。