「ねぇ、藍。休みの日でいいから、料理教えて」


「…料理に目覚めた?」


「それで学んで、窪野さんに食べてもらうの。

バイトはもう少し後にするから」


「そうだな。それが一番だ。じゃあ今日は、お菓子作るか?」

「お菓子は得意だよ」


「マジ?!俺、シュークリームとか駄目でさー…。

ホストの仕事でもそこらへん、不得意なんだよ」


「へぇ。仕事でやっぱり料理してるんだ。私は、お菓子全般得意だよ」



少しだけ笑みを見せる。


すると頬を、藍の両手でつねられる。
驚いていると。


「笑顔、戻ったな」


「え…??」