また2人で、資料をホッチキスで止めていく。
だけどその手だけは止まらず、会話だけがなかった。
だけど重い空気の中、彼が口を開いた。
「ねぇ。俺の事怒ってるわけ?
だってさー…、ナイト様引き連れているキミの顔見たら。
誰だってウザくなるっしょ」
ねぇ。
キミの性格を、私は知っていたよ。
昔苛められていたこと。
あれは。覚えていない振りをしていたかったよ。
「…蓮君。もう私は貴方が普通の人とは、違う考えなんだと思う。
何をそんなにも悲しみたいの?
自分が悲劇のヒロインになりたかったの?」
「…は?」
我に返ったときはもう遅い。
彼がようやく作業をする手を止めた。
「…あゆみって。何でもかんでも知らなさ過ぎるよね。
例えばさ。
女子が男子に敵う力だとか思ってんの?」