そして鍵を閉めて行ってしまった。

(…本当に男の人は、恋愛に飢えてる…)

部屋を見渡すと、余分な家具とかは1つもない。
それにトロフィーばかりだ。

(これがホスト界の1番って証…。
ホストって何?
恋愛をするとこ?
だったら、私には縁がないな)

ソファに座ると、暇で仕方ない。

(…お出かけしようかな)

必要なものとか、そろってないし。

歯磨き用具とかだったら、さっきのスーパーにあったかも。
家の合鍵を使って、外に出ると。

「あれ、さっきの」

「…窪野さん」

「その部屋…、藍のだよな」

「…そうですが」

「同居?」

「お金…ない私を引き取ってくれたんです」

「へぇ…アイツがねぇ…。ていうか、キミの名前教えてもらってなかったじゃん」

「あ、そうですね。私は花伊 歩です」