「…」

俺は黙って、行き先を見ているだけだった。

それは今も昔も変わらない。

「許せないことを、許してもらえる日なんて

一生来ねぇんだよ!

人の痛みを作って、傷をつけて。

それで、許せる?

何してもいいから、許すなって言えばいいじゃんかよ!」

「…」


アイツが泣いてる…?

さすがは、あゆちゃんのお兄さんだ。


カッコいいヒーローのようだ。

か弱く、頼ってばかりの俺の救世主。


本当に俺は、かっこ悪い。

出来ることならば、彼になりたかった。


「…次、そらやあゆみ。藍の前に現れたら…。

俺がゆるさねぇからな」