「はい」
「おー、サンキュ。本当に早いな」
「私を誰だと思ってるの」
「無表情で言われてもねー…。つぅかさ、お前。
このアパートの住人には気をつけろ。
ここ、ホストのやろうしか住んでねぇし」
「隣の方とは、先ほど話したけど」
「はっ?!」
「窪野っていう人だけど…」
「うーわ…、マジかよ」
「まずいの?」
「…お前が他の男見たら奪われるじゃんよ。
はーぁ…、俺が時間かけて落ちさせようとしてたっつぅのに」
「残念だね」
「ほんっとうだよ」
「私、誰にも落ちないから安心して。ほら、お弁当」
俯いて渡した。
やっぱり男の人は慣れない。
敬語で話さないだけでも、大変って言うのに。
「ん、じゃあイイコにしてろよ」
額にキスをされた。