「…そんな」

「あの日と同じ様に、この後なるかもしれない。

だから俺が転校しなきゃやばいって思う。

そらは守ろうとしても、出来ない理由があるから」


「何で…?」


「アイツも、お前と同じ。

両親に長年の暴力日々が続いたんだって。

それがどんなに辛いか、人の痛みが分かるやつだ。

だから傷つけることは出来ない」


「…窪野さんが」


「その証拠もある。アイツの背中には、火傷の跡がある。

見ないほうが良いと思うけどな。

逆に言えば、俺はどうってことない。

嫌な事をすれば仕返す。

そういうのを教わった家だ」


「…」


家庭で、傷つくことなんていっぱいある。