私は父方の祖父母が管理しているアパートに一人で住んでいる。



一人で住んでいる理由は父が、事故で亡くなったから。


そして母は、その後を追う様に病気で亡くなったからだ。





母方の祖父母を私は見た事がない。


母が死んだから、理由も何も聞けないけれど。





「…ただいま。」





呟いてみるも、返事は勿論ない。



こんな生活が私にはもう慣れてしまっていた。





学校でも一人。


家でも一人。



私には、もう何もなかった。





幼い頃からこの体質に悩まされていた私に母に言った。




「この体質がお母さんは誇りだったのよ。」


「この体質のお蔭で、お父さんと出会えたんだから。」





父は、母の体質で惚れたんだろうか。


それでも、母は幸せだったのだろうか。





母がいない今、私はこの体質に悩まされる一方で。