そしてきっと、もう二度と会えない。
そうなのかと思うと、胸が苦しくて張り裂けそうだった。
「ごめんくださいませ」
ふと玄関から聞こえた声に耳を傾ける。
「おや、誰だろうね」
芙美さんが私を見て呟く。
どこかで聞いたことのあるような……。
「はーい、今行きますよー」
玄関に向かって返事をすると、芙美さんはどっこいしょと言いながら腰を上げた。
ポツンと残されて、そこで初めてお茶に手を付ける。
そーっと口を付けたものの、すっかり冷めていて拍子抜けしたのだった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…