そしてきっと、もう二度と会えない。


そうなのかと思うと、胸が苦しくて張り裂けそうだった。



「ごめんくださいませ」


ふと玄関から聞こえた声に耳を傾ける。


「おや、誰だろうね」


芙美さんが私を見て呟く。


どこかで聞いたことのあるような……。


「はーい、今行きますよー」


玄関に向かって返事をすると、芙美さんはどっこいしょと言いながら腰を上げた。


ポツンと残されて、そこで初めてお茶に手を付ける。

そーっと口を付けたものの、すっかり冷めていて拍子抜けしたのだった。