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「元気をお出しよ、薫子ちゃん。ほら、これでもお食べ」
熱いお茶と一口サイズの饅頭が3つ、それからクッキーにチョコレート。
受け皿にこぼれるほどのお菓子を並べ芙美さんが、私の手を取って饅頭へと伸ばす。
沙織さんから北見さんのことを聞かされてからというもの、出てくるのは溜息ばかりで。
そんな私を芙美さんは自宅に招いてくれたのだった。
「いつまでもそうしていたって仕方がないだろう? 大企業の社長さんになるっていうんだから、応援してあげないと」
「……そうなんですよね」
頭では分かってる。
こうしてグジグジしていることが、北見さんには余計に面倒な女だと思われてしまうことも。
北見さんは、いるべき場所へ帰った。
それは、最初から分かっていたこと。