そして、麻紀さんに続いて席に着こうと、お客の顔を見たときだった。



――!!



ギクリとした。


背筋が凍る思いというのは、こういうことを言うのかもしれない。

その場で動けなくなってしまった。


「今日もお元気そうですね、常盤専務」


どうしてこんなところに――。


お父様の会社を乗っ取った常盤ハウジングの息子、あのDCHだったのだ。


「どうしたの?」


立ちすくむ私に麻紀さんの声が掛けられる。

そして、その隣からはDCHの視線が向けられた。