軽く頷き合うと、北見さんは私たちとは2つ離れたテーブルへと案内されたのだった。


しばらくして現れた、ターコイズブルーのドレスを着た綺麗な女性が北見さんの隣へと座る。


北見さんの注文したらしきワインが運ばれてくると、二人で乾杯。


楽しそうに話す様子にチクチクと胸が痛む。


色っぽい仕草に美しい笑顔。
北見さんはああいうタイプが好みなのかもしれない。


妹に認定された私では程遠くて、知らず知らずに溜息がこぼれた。


「彼女は、この店のナンバーワンよ」


不意に麻紀さんが話しかける。

視線を戻すと、そこに荒野社長の姿がなかった。


「あ、社長なら今トイレよ」


頭の中に浮かんだ私の疑問に即座に答える。