「確か、旦那様との新婚旅行の地でしたね」
「・・・・・」
「今更、思い出に浸るのですか?過去の人でしょう?
あぁ・・それとも。
もしかして、私への恨みが増しましたか?」
クスッと意地悪く執事は微笑む。
ーー増すも何もー。
「貴方への恨みは増す余地もない位、あるわ」
お前への恨みはー、地獄の果てまで追いかけるほどあるのだからー。
消えることのないその憎悪。
「それでも、私をそばに置く貴女は変わり者ですよね」
何処か愉しむような執事の声に少々イラッときて、私はグイッと強く執事のネクタイを引き、身体を引き寄せる。
「えぇ。私はとんだ変人よ。
でもね、私の''目的''のためには仕方ないのよ・・・・。
私を''死なせる''ためにはね!!!」