「………あー、と…」







俺がそう言うと、姫野は困ったように、悲しそうに、優しく笑った。
その笑顔を見て、妙に胸が痛んだ。
…姫野には、こんな顔してほしくない。








「私、梅田くんのこと好きになっちゃった。…でも、サッカーのことしか頭にないのは分かってる。ちょっと、聞いてみたかっただけ。ごめんね。」







そう話す姫野の瞳は本当に悲しそうで、諦めているかのようだった。
軽く話しているが、さっきのも勇気を出してくれたんだろう。



そう思うと胸がズキリとした。







何て返事をしようかと迷っていた頭の中で、俺の口は勝手に言葉を紡いでいた。