この後も私の言葉はことごとく無視され続け、私の喉にも限界が来た。


「ハァ...ハァ...。」


「.........。」


「ハァ...ハァ...あ...。」


「?」


「着いた...。」


「え?」


「私の家...。」


気がつけば家の前だった。
ということは、櫻井の家はこの先ということか...。

「......へぇ、結局送った感じになったね。」


「.........。」


「じゃ、俺はこれで。」


「あ、あぁ...悪かったな。」


「は?俺はただ自分の家へ帰っていただけですがー?(フフッ」


ドキッ
っ...また...



「ま、まぁ...そうだな。櫻井も気をつけて帰れよ。」


「うん。」


じゃ。と、低い位置で手を小さく降る奴の姿がなぜか恋しく感じた。
行っちゃうのか...って。


ドキッ


......こんな気持ち...初めてだ......。