「はぁ……はぁ………」
…なんとか女性から逃げ切った
「……大丈夫か?」
「!?」
いきなり誰かに後ろから話しかけられてびっくりした私
ま、まさかあのお化け……!?
私は思いきって後ろを振り向くと、そこにいたのは呆れた様な顔をした百合亜だった
「……百合亜だったのね…」
「……ビビりすぎだぞ」
「べ、別にビビってなんかないし!」
私は前を向き、歩き始めた


「………」
無言のままお化け屋敷を歩く私と百合亜
道を右に曲がったその時、


壁から大量の手がでて、私の髪を掴んでいた


「い…………いやぁああああああああああああああああああ」
また恐怖のあまり逃げる私
い、いきなり手はないでしょっ!?
「ちょ、菜々美!?」
あまり驚いてない様子の百合亜が後をつけてくる
ドン
「!?」
今度は樽の中から落武者らしき人が出てきた
「ひ、ひぃいいいいいいいいい!」
するとまた、
『助けて……グズッ…助けて…お姉ちゃん…』
という女の子の泣き声と共に、人形がガタガタと揺れており、こっちを向いて笑っていた
「ああああああああああああああ!」
また、
ベチャッ
こんにゃくが顔についた
「嫌だぁあああああああああ!」
悲鳴をあげながら走りまくる私
…光が見えてきた………!
早くここから出なきゃ………!
私はやっと恐怖の屋敷の外へと出られた