「ふ~食った食った~」
瞬く間にポップコーンはなくなり、5分後の今、全て食べ終えた
赤井さんは満足そうな顔で「ケプッ」とかわいくゲップをした
「ねぇ、赤井さん」
「ほえ?」
「…今日楽しい?」
「何いってるの!いとやん!もっちろん楽しいに決まってるよ!みんなと遊んで楽しいよ!」
「そっか…」
赤井さんの表情を見る限り、確かに楽しんでいた
でも………


「赤井さん、本当に、楽しい?」


「え…………」
赤井さんは一瞬呆然とした表情で僕を見て、すぐいつもの笑顔に変わった
「さ、さっきのいった通りだよっ!楽しいよっ!」
「本当に?ただ楽しいだけ?他に何かないの?」
「ほ、本当だよ……!楽しいもん!」
「確かに楽しいってところは僕も共感だけど……


『彼の今日の一言』をまだ気にしてるんじゃないかな…?」


赤井さんの顔から笑顔が消えた
「……………」
「確かにあの言葉は君にとっては辛いよね、その気持ちにも共感するよ」
「やめて……」
「君にとっては彼は………」
「やめろよっ!」
赤井さんは大声でいった
周りの人が声に反応し、こっちの方に顔を向ける人もいた
「!?」
彼女は我に戻ったとたん顔を赤くした
「赤井さん……?」
僕は彼女が心配になり、彼女に声をかけた
「………いとやん、私またどっかに乗りたい……絶叫系じゃなくゆったりした乗り物に乗りたいな…」
赤井さんはそういい、立ち上がった
僕らはベンチから離れ、どっかにむかった
彼女の瞳からは、小さな涙が一粒、こぼれていた