「ここが台所だ!」
会長の家の中にお邪魔して約五分後、俺らはやっと台所についた
………台所に着くためにこんなに時間かかったっけ…?
普通の一般的な家なら台所に着くのはせめて一分位なのに、ここでは五分もかかった
なんせ、会長の家自体が広いのだ
会長から話を聞いたところ、会長の父、今川武蔵(イマカワムサシ)は「今川グループ」という俺でも知ってる有名な建築会社の社長で、大富豪の一人とされている
まさか会長が社長令嬢だったとは……
初耳だった
「さぁ、入ってくれ!」
会長は台所のドアを開けた
さぁ、ここの台所はどんなところなんだろうか……


『広っ!?』


会長以外の俺らが声を揃えていった
うん、確かに広い
いや、広すぎる
人が100人ぐらい余裕で入れるぐらいの広さだった
………ここは台所じゃなくて厨房なんじゃないか……?
「お~!すげっ!IHじゃねぇか!学食の厨房にはないからな!」
正喜が興奮しながらいった
そういや彼は食事委員長だったな
周りを見てみると、色んな鍋やフライパン、オーブンなどがあり、その中でも異様な感じなものがあった
それは、この巨大な冷蔵庫
多分俺ん家の冷蔵庫の三倍もあるかろう大きさで、一番目立っていた
「会長、あの冷蔵庫、開けてもいいか?」
「ああ、いいぞ」
会長からの了承を得て、俺は馬鹿でかい冷蔵庫を開けた
中には……


何も入ってなかった


「!?」
俺は驚いた
まさか……入ってないなんて……
「どーしたの、けいとん?」
赤井が俺に話しかけてきた
「この冷蔵庫……」
「この冷蔵庫がどうしたの?」
「まぁ……見ろ」
俺は冷蔵庫の前から退き、その代わり赤井が前に出た
「おっきぃ~~………って中身ない!?」
赤井はマ○オさんの驚いたポーズらしきものをしてた
………やっぱ驚くよな
「ああ、何もないぞ」
会長がこっちへ来た
「会長~なんで~……入ってないの~?トリュフとか入ってそうなのに~!!」
赤井は地味に半泣き状態だった
確かにトリュフとか入ってそうだ
「今日はたまたま何も入ってなかったんだ だからスーパーで買い物しただろう?」
「え」
会長、どういうことだ 話が全くわからん
「この冷蔵庫をいっぱいにするためにさっきスーパーで買い物したんだ」
「本当に………?」
「本当だ!」
会長が赤井に向かってキメ顔をした
「そっか!冷蔵庫をいっぱいにするために買い物したんだ!」
「ああ!でわみんな、料理を始めよう!」
「え、料理?さっき買ったやつで?あれ?」
「おい咲、早く用意するぞ!」
「あ、うん、会長」
女子は隣の部屋へと荷物を持っていった
「あ、男子はここで座って待ってろ」
会長は近くにあった3つの椅子を指差した
とうとう料理開始か……
この料理対決が不幸を呼ぶとは今は誰も知るよしもなかった……
あと、会長、さっきの赤井と話していることは間違ってると思う…