てもこれは自分の選択――――どう行動することもできた中であの道を選んだのだから、悔いはない。




 でも、それは彼女の友達が偽物の友情を築き上げていないと信じた中の話で――――……。





 もしかして、さっきすれ違ったあの三人組は彼女の友達でない、全くの他人?




 いや、まさか。でも、それじゃあこの空気と辻褄(ツジツマ)が合わない……。





 
 ぼくは彼女の気分も害した上に、誤った選択をしてしまったのだろうか。




 口を開きにくい空気の中で、ぼくは他の患者さんの迷惑とも知りながら精一杯謝罪した。





「ごめんなさい! 生嶋さん。




 生嶋さんの鞄を勝手にあさった上に、スマホまで勝手に持ちだして使って……。





 そんなことをしたくせに良い結果は出なかったみたいだし、本当に悪いと思ってる!」






 床に膝をついて、後からおでこも床にぺたりとつけた。



 ヒヤリとした感覚が感覚器官を刺激する。汚いなんて思っている暇はなかった。





「本当に本当に本当にごめんなさいっ!




 ぼくがいたら気分が悪くなると思うからすぐ帰る。



 シュシュも捨てちゃっていいよ。お大事に……」