そこでぼくは、忘れていた見舞い品と言えるのか分からない、プレゼントのことを思い出す。




「あ、そういえば」




「え?」





 肩にかけていたショルダーバッグを肩から外すし、口を開けて目的の物を探すといとも簡単に見つけることができた。




 だけど、それだけで事は終わらなかった。






 ……どうやって渡せばいいんだろう。




 見つけられたのはいいけど、どう渡せばいいのか迷いが生まれて体の動きが止まる。



 頭で色々なパターンのシミレーションを考えるけど、どれも恥ずかしくて普通に渡せる気がしない。




 迷った挙句、ぼくはバックからラッピングに包まれた小さな袋を取ると、手の平に乗せ彼女にそれを向けた。




 彼女が差し出されたピンク色の袋に視線を向け、興味津々と言った顔で小さなプレゼントを凝視する。





「……これ、プレゼント」




「え? なんの?」




 頭上にはてなマークを多数浮かばせ、きょとんとして首を横に倒す。




「……え。な、なんの?」




「世尾くん、私が尋ねてるんだけど……」




 生嶋さんに突っ込まれ、ぼくは顎(アゴ)に手をやって眉をひそめる。