生嶋さんが迷惑がってしまったら……申し訳無いから。



 生嶋さんのお母さんは少し意外そうな表情をしていたけど、お父さんの方は無表情だった。


 な、なにを思われているのか怖い……。





 そりゃあ一緒に遊園地なんか行ったら勘違いされてしまうだろうけど、ぼくたちは、付き合うなんて関係になることもきっとないだろう。





 ぼくは椅子を元あった部屋の隅に片付けると、生嶋さん一家にいろんな気持ちを込めて、頭を下げる。




「また明日も来ます。……お邪魔しました」





 そう言って、自然と愛しい目で膨れた布団を見つめながら、扉を静かに閉じ、病室を後にした。