その証拠に、ほら、空なんか見上げながらお礼を口にしてる。



 ……もし、涼峰さんがほっとした表情を浮かべていたら。


 仕方がないことは嫌でも分かってる。



 それでも二人を見ることができないのは、オレの弱さだ。




 だって、まだ終わりにしたくない。


 今終わりにしたら繋がりがなくなっちまう。



 第一、約束した男性恐怖症を治せなくなる。


 ……というのは言い訳に過ぎない。



 オレは三人で過ごすあの時間が好きだから、なにがなんでも繋がりを切りたくないのかもしれない。



 一週間前にした約束はこれで終わりだ。



 だけど、だったら新しい約束を結べばいいじゃねぇか。


 また明日、お昼に教室行って誘ってみよう。

 



 オレが作り出してしまった、さよなら以外の行動ができないような雰囲気を切り裂くように彼女は呟いた。




「……なんでもう終わりみたいになってんのよ……」