オレの表情を見、涼峰さんと茜は怖そうに目をギュッとつぶって、耳を両手で塞いだ。
オレは驚いた男達の胸ぐらを掴み、殴りかかろうとして――――――――止める。
オレの殴ろうとした眉毛ピアス男は、目の前で拳が寸止めされて若干ビビッているように見えた。
乱暴に掴んでいた手を放し、二人を守るように立つ。
そして怒りを抑えた声で男達を睨んだ。
「凛と茜に、そんなきたねぇ手で触るな」
一瞬この場に静寂が支配したが、眉毛にされるピアス男と銀色のピアス男がオレに詰めかかる。
かなり顔が近く、ほんのり煙草の匂いがした。吐き気がする。
「一年がでしゃばってるんじゃねーよ」
「一年は教室で勉強でもしてな、ホラ」
ガン! という大きな音がして気付くと、眉毛ピアス男がオレのすぐ横の壁を蹴り付けていた。