ほんのり熱くなった頬に、グーの手で触れる。


 じんわりとした熱が伝わってきて、触れた部分に微かに熱が残った。


       
 オレは見ていることを誤魔化すために、まるで誰かを探すように教室内を見渡した。


 見てるってことを知られたくないじゃん。


 ……まぁ、すでにバレちゃってるけどな……何人かに。




 暗い目で、ちらっすぐ斜め右を見る。


 そこには、真ん中の短髪のスポーツ男子。と、その他。


 どれくらいなのかっていうと、手で触ったらチクチクするくらいの長さ。


 なんだか熱血系、という言葉がすごく似合う男だ。



 そんな男達がさっきから懸命に、変なジェスチャーを送ってくるのだが、面倒だし無視している。


 彼女を指さして、手でバツをつくる。


 明らかに『俺が彼女のことが好きだからお前は諦めろ』って意味だろ!


 そんなの、素直に「はーい、諦めまーす」とか言うわけないっつーの。