オレと勇輝は、妙な雰囲気のまま四時間目を終えた。



 茜と凛との昼は単純に楽しみだけど、今呼び出してくれて助かる。



 
 何で、あんなこと言ったんだ……?



 そんなことを考えながらリュックのチャックを開き、弁当と水筒を取り出した。



 
 二つバラバラなの、すっげーめんどい。


 弁当と水筒を入れられる小さなバックを買おうとしたが、なかなか良いのが無く、結局買えずじまいだ。




 オレは両手に弁当と水筒を持ち、A組の教室へと向かう。

 
 教室を覗(ノゾ)くと、凛が青い顔で机を凝視しているのが見えた。



 こんな様子の凛を見てしまうと、どうしても一緒にいるのが辛くなってしまう。

 オレがこんな顔をさせているなんて、と思ってしまって。



「凛、茜」



 呼ぶと、オレの視野にいなかった茜が教室の右側から姿を現した。
 


「ちょっと待って」


                        
 それだけ言うと、茜は青い顔の凛のところへ行き、行こうよと促(ウナガ)していた。