さんざんだった授業が終わり、号令後机に伏せて(倒れて)いると、勇輝が苦笑いしながら俺の机へやってきた。 「よ、圭太。大丈夫か?」 前の席の椅子を引き、勇輝が横に座る。 オレは体を机に倒したまま、右手を上げた。 「んー。大丈夫……けど、成績下がったなー」 「だなー」 ははは、と勇輝が笑う。俺も俯きながら笑った。 何て平和な会話なのだろう。 さっきあんなことがあったため、この平和がとても愛おしく思えてくる。